体力・柔軟性・バランス感覚を高め
パフォーマンスアップと
怪我の予防に

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スポーツ鍼灸とは

スポーツ鍼灸とは、スポーツによるからだの疲労回復やコンディションの維持、怪我の予防や治療を専門にした鍼灸治療の一分野です。スポーツ選手だけではなく、趣味でスポーツをする人や、運動量が多い方にもおすすめの治療法です。

スポーツ鍼灸のメリットは、からだの疲労回復、怪我の予防、パフォーマンスの向上など。
東洋医学とスポーツ医学を組み合わせて、鍼灸師がからだの内側と外側から総合的にアプローチします。鍼灸治療だけでなく、マッサージやトレーニングなども行う場合があります。

スポーツ鍼灸の効果

  • スポーツによる怪我の治療や予防
    スポーツ鍼灸では、障害部位に鍼をすることで、筋肉の緊張緩和や血流の改善が認められ、競技パフォーマンスアップ、競技の早期回復につながります。
    また、全身のツボを鍼や灸で刺激することで、胃腸の調子や自律神経機能の調整をしたり、ホルモンバランスを整えて、さまざまなスポーツ障害や筋肉痛、身体の疲労回復がしやすい状態に整えることにも効果があります。

  • スポーツパフォーマンスの向上
    スポーツ鍼灸では、骨格のゆがみや姿勢不良などを調整することで、関節運動がスムーズになります。また、筋肉にアプローチするトリガーポイントと呼ばれる治療法もあります。これは、筋肉の痛みやコリの発生源をトリガーポイントと言い、「引き金」というtriggerと「点」という意味のpointからなる言葉で「筋肉の痛みの引き金となる点」という意味です。
    トリガーポイントに鍼をすることで、痛みの改善や関節運動を回復させコンディションを整えます。

  • スポーツ特有の怪我の例
    スポーツによる怪我は、過度な運動や不適切な練習法でからだの一部に疲労がくり返し蓄積されることで起こります。
    代表的な例は以下の通りです。
    1. 野球肩…ボールを投げると生じる肩の痛み
    2. ランナー膝…ランニングによって生じる膝の痛み
    3. ゴルフ肘…ゴルフで球を打つときに生じる肘の内側の痛み
    4. テニス肘…バックハンドストロークを打つと生じる肘の外側の痛み

スポーツ鍼灸の方法

  • スポーツ鍼灸で使用する鍼の種類
    スポーツ鍼灸で使用する鍼は、基本的に一般的な鍼と変わりません。
    代表的な3種類の鍼は以下の通りです。
    1. 毫鍼(ごうしん)…もっとも代表的な鍼で、髪の毛よりも細い鍼を使用することが多い。
    2. 置き鍼(円皮鍼)…治療効果の持続や痛みの強い部分への継続的な治療に使われる鍼で、皮膚に貼り付ける。
    3. てい鍼(小児鍼、円てい鍼)…刺さずに施術する鍼で、身体に敏感な方や先端恐怖症の方におすすめ。
  • スポーツ鍼灸で行う施術法の例
    スポーツ鍼灸では、一人ひとりの体調、患部の状態、年齢、治療経過などに合わせて使用する鍼を変えて施術を行います。
    具体的な施術法の例は以下の通りです。
    1. 接触鍼法…注射の針を刺すような感覚はなく、初めての方でも安心して受けられる施術法。
    2. パルス療法…電気を流すことで筋肉や神経に刺激を与える施術法。
    3. トリガーポイント治療法…筋肉の痛みやコリの発生源をトリガーポイントと呼び、そこに鍼をすることで痛みやコリを解消する施術法。

スポーツ鍼灸を受けるメリット

スポーツ鍼灸を受けるメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • 疲労回復やコンディション維持
    スポーツ鍼灸は、全身の血行を促進し、自己治癒力を高める効果に繋がります。また、激しい運動で乱れがちな自律神経が整い、からだ全体がリラックスした状態になるため、より血行促進をしてくれる効果が引き出され、疲れが残りにくくなります。

  • 怪我の予防
    鍼灸は、故障が起きやすい部位にあらかじめ鍼治療をしておくことで、その部位の血行が促進され柔軟性のある状態をキープすることに繋がります。
    練習や大会前に行えば、ウォームアップの手助けや、急な運動による怪我の予防にも期待できます。

  • パフォーマンスの向上
    鍼灸師はからだのプロなので、骨格のゆがみや、体調管理について相談することができます。
    スポーツ鍼灸を専門としている鍼灸師なら、正しいからだの使い方、おうちでできるトレーニング法などもアドバイスしてくれるでしょう。
    スポーツ医学の観点から治療やアドバイスを受けることで、パフォーマンス向上が期待できます。

スポーツ鍼灸のメカニズム

  • スポーツ鍼灸は、東洋医学とスポーツ医学を組み合わせた治療法です。
  • 鍼灸は、皮膚や筋肉などの「体の表面」に分布する感覚神経を刺激し、その刺激が脳、脳幹、脊髄などの「中枢神経系」を介して作用すると考えられています。
  • 中枢神経系では、鍼灸刺激によって以下のような生理的反応が起こります。
    1. 痛みを抑える物質(エンドルフィンやセロトニンなど)が分泌されることで、痛みを和らげたり気分を良くしたりします。
    2. 血管や筋肉が弛緩することで、血流やリンパ液の流れが改善されます。
      これによって、筋肉の緊張や炎症を緩和し、酸素や栄養素の供給や老廃物の排出を促進します。
    3. 自律神経のバランスが整うことで、からだの機能が正常に働きます。
      例えば、副交感神経が優位になると、からだや脳がリラックスし、免疫力や消化力が高まります。反対に、交感神経が優位になると、ドーパミンなどの興奮物質が分泌され、集中力や活力が高まります。

スポーツ鍼灸の注意点

スポーツ鍼灸を受ける前に知っておくべき注意点は以下の通りです。

  • スポーツ鍼灸は、スポーツ障害の治療や予防、パフォーマンス向上などを目的として行われるため、一般的な鍼灸治療とは異なる場合があります。スポーツ鍼灸を専門としている鍼灸師に相談し、自分の状態や目標に合った治療方針を確認しましょう。
  • スポーツ鍼灸では、一般的な鍼灸治療と同様に、鍼やお灸などの刺激によってからだに変化が起こります。そのため、施術後は十分な水分補給や休息をとり、無理な運動や飲酒などは控えましょう。
  • スポーツ鍼灸では、電気を流すパルス療法や置き鍼などの特殊な施術法が用いられる場合があります。これらの施術法にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、施術前に鍼灸師によく説明を受け、自分の体質や症状に合っているか確認しましょう。
  • スポーツ鍼灸では、スポーツ医学や整形外科的な観点からもアドバイスを受けることができます。しかし、スポーツ鍼灸はあくまで東洋医学の一分野であり、西洋医学の代替ではありません。必要に応じて医師や理学療法士などとも連携しましょう。